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2015年3月1日日曜日

不動産の有効活用失敗例 ~不動産投資は本当に良く考えた方がいいですよ~

ある貸家オーナーが来店されました。

所有している貸家が今度、空くので、その不動産の有効活用できないか?
まあ平たく言えば、利益を上げる事が出来ないか?
という相談内容でした。

何でも建築業者さんにアパートを勧められて、その貸家を解体して
アパート建築を考えられているとか・・・

私「その土地は何坪あるのですか?」

貸家オーナー「50坪です。」

私「50坪? その建築業者さんはアパートの部屋数を何部屋で考えられているのですか?」

貸家オーナー「4部屋です。」

私「駐車場は?」

貸家オーナー「アパート全体で2台ぐらいですかね~」

私「という事は仮に月5万で空室がなかった場合、10年で2400万ですか。」

貸家オーナー「はい、知り合いの大工がいて、2600万ぐらいで建てれると言ってくれたので・・・」

私「なるほど、ちなみに今の貸家はいくらで購入されましたか?」

貸家オーナー「確か・・・1300万円です。」

私「それで購入されたのはいつですか?」

貸家オーナー「15年前です。」

私「15年貸家を経営されて、家賃がトータルでいくら回収できたのかご存知ですか?」

貸家オーナー「え~と、そこまで詳しくは判りませんが、毎月家賃が6万づつ入ってきてるので、
儲かっていると思いますが・・・」

私「では、計算してみましょう。」



そして・・・



私「計算した結果、回収出来た家賃は約800万ですね。」

貸家オーナー「そうなんですか!」

私「空室はあまりなかったのですが、メンテナンス費用がかかってます。
  という事はですよ。今の時点で400万の赤字です。」

貸家オーナー「そうですよね!」

私「さらに建築業者さんのアドバイス通りやろうとすると、解体費用が発生します。
  解体業者さんに見積もりは貰ってますか?」

貸家オーナー「150万と聞いてます。」

私「とすると合計550万。滅失登記費用を多く見て5万と仮定すると
  今の時点で555万の赤字です。これにアパート建築費用の2600万の赤字を
  更に追加するのですか?」

貸家オーナー「それは・・・。」

私「ちなみに、おいくつですか?」

貸家オーナー「今75歳です。」

私「よく考えてみてください。オーナー様にアドバイスしてくれた
  建築会社の言う通り10年後か11年後にアパート建築費用は回収できるかも知れない。
  でも、555万の赤字は解消できません。さらに10年後で85歳です。
  大変、言い難いのですが、年齢的に投資金額を回収するのが難しいとは思いませんか?
  利益を上げるどころか、投資金額の回収すら難しいとは思いませんか? 」

貸家オーナー「そうですよね。この投資は失敗だったんですね。」

私「そうです。不動産会社に勤めている私が言うのもおかしな話ですが
  貸家を購入せずに現金で持っていた方が良かったという事です。
  今、更にアパートを建ててその失敗を拡大しようとしてます。
  それはお勧めできない。少なくとも私がオーナー様の立場でしたらやりません。」

貸家オーナー「私はどのようにしたらいいでしょうか・・・?」

ここで利益確保の為のアドバイスをして
その方針で進める事になりましたが・・・

下手に不動産投資をするよりも現金でそのまま持っていた方が良かった
という不動産投資失敗の判りやすい例です。

不動産投資は本当に良く考えた方が良いと思います。

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